チリ軍事クーデター50年 犠牲者を追悼する催し en CUBA(その2)
マヌエル・ガルシア 初のキューバツアー
チリ軍事クーデター50年に際し、その犠牲者を追悼するとともに、記憶を風化や忘却させないために、キューバでも様々な催しが行われました。(その2)では、チリのシンガーソングライター マヌエル・ガルシアの初のキューバツアーを紹介します。そのツアーは、9月15日のハバナにあるカサ・デ・ラス・アメリカスを皮切りにキューバ全土でコンサートが行われました。
(写真)コンサートで熱唱するマヌエル・ガルシア 写真:カサ・デ・ラス・アメリカスFacebookより引用。
マヌエル・ガルシアは1970年にチリで生まれ、現在53歳。本格的に音楽活動を開始した当初から、「新しい歌(ヌエバ・カンシオン)」運動の先駆者であるアタワルパ・ユパンキ(アルゼンチン)のドキュメンタリー制作に没頭します。その後、チリの「新しい歌」運動をけん引したビオレータ・パラやビクトル・ハラにも傾倒していきます。2005年に出したアルバム『Pánico』(後述する『老コミュニスト』が収録)で一躍脚光を浴び、今やチリで最も人気・実力とも備わったシンガーソングライターの一人であり、現代の「新しい歌」運動の旗手です。更に2012年には、チリにおける新自由主義の継続に抗議する大統領あての書簡を提出しています。その彼が、クーデター50年を期して、初のキューバツアーを敢行したのです。
マヌエル・ガルシア キューバツアーのポスター
ヌエバ・トローバ50周年記念メダルを授与
今回のキューバツアーの中で、マヌエル・ガルシアの功績をたたえるため、キューバ音楽協会は、彼にヌエバ・トローバ(キューバにおける新しい歌運動)50周年記念メダルを贈呈しました。その受賞に際して、彼は次のような詩のような言葉で締めくくり、その受賞の喜びをコメントしました。
突然、コンサートが始まる。
私たちに生命を呼び起こす:
眠れる大地の上で
目覚めたナイチンゲールが歌う。
(写真)マヌエル・ガルシアは、キューバ音楽協会からヌエバ・トローバ50周年記念メダルを授与されました。写真:カサ・デ・ラス・アメリカスFacebookより引用
代表曲 『老コミュニスト』
マヌエル・ガルシアの代表曲が『老コミュニスト』。この曲は1996年に製作されました。この曲は、ガルシア自身の言葉を借りれば、「1989年のベルリンの壁崩壊後、左翼思想の支柱が危機に陥った時代の社会的写真を提示したもの」です。そして、「結局のところ、自分の信じるもののために闘えば、年月、経験、人生は必ず勝利する。そしてもちろん、愛も。それが行き着くところ『老コミュニスト』なのです」と。
この曲は2019年のチリでの反自由主義の大闘争を受け、2020年シルビオ・ロドリゲスとコラボとして、再度リリースされました。(最後に『老コミュニスト』のyoutubeアクセス先を記しますので、是非視聴してみてください)
〇「cubadebate」で、マヌエル・ガルシアのキューバツアーの模様を紹介しています。以下がそのアクセス先です。
キューバ討論 (cubadebate.cu)
〇マヌエル・ガルシア『老コミュニスト』youtube(シルビオ・ロドリゲスとのコラボ、そのオフィシャル映像版)
Manuel García con Silvio Rodríguez – El Viejo Comunista (videoclip oficial) – YouTube
〇マヌエル・ガルシア『老コミュニスト』youtube
El viejo comunista (Manuel García) – YouTube
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