チリ軍事クーデター50年 犠牲者を追悼する催し en CUBA(その1)

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シルビオ・ロドリゲス 『サンティアゴ・デ・チリ』熱唱

1973年9月11日、今から50年前、南米のチリで米に支援された軍部がクーデターを起こし、アジェンデ大統領を虐殺しました。更にその後、ピノチェット将軍が率いる軍部の言語を絶する弾圧で、チリでは十万人近くの命が犠牲となり、人口の5分の1の人が国外亡命を余儀なくされたといわれています。この蛮行の50年に際し、その犠牲者を追悼するとともに、記憶を風化や忘却させないために、キューバでも様々な催しが行われました。

その催しを紹介します。さすが「音楽大国」キューバです。催しの多くが、歌を中心として行われました。

ビクトル・ハラの『アマンダの想い出』も

(その1)では、9月11日にハバナのアシス修道院で行われたシルビオ・ロドリゲスを招いての歴史的コンサートを紹介します。

(写真)コンサートで熱唱するシルビオ・ロドリゲス Photo: Estudios Revolución

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まず、コンサートでは、シルビオ・ロドリゲスがクーデターの報をラジオで聞いて、虐殺されたアジェンデ大統領を追悼するために、すぐに作曲した『サンティアゴ・デ・チリ』(1974年創作)が歌われました。歌詞の中では、「彼は影のように私の後をついてきた もはや見ることのできない者の顔。 そして私の耳元で、死が私にささやいた。 彼が現れる。」と歌い、リフレイン部では「それ(彼)は死んでいない 彼らはそれ(彼)を殺していない」と繰り返します。殺されたアジェンデ大統領をオマージュしている歌です。後年シルビオ・ロドリゲスがチリでコンサートを行った際には、歌詞の中にある「そこで」の部分をわざわざ「ここで」に変えて歌っています。(最後に『サンティアゴ・デ・チリ』のyoutubeアクセス先を記しますので、是非視聴してみてください)更にキューバのコンサートでは、アジェンデ大統領と同様に軍部によって虐殺されたビクトル・ハラの『アマンダの想い出』も熱唱されました。シルビオ・ロドリゲスは、喉にしこりがあり、十分に声を出せない状態でありながら、歴史的コンサート成功のために熱唱したのです。

駐キューバ・チリ大使があいさつ

コンサートは、まず駐キューバ・チリ大使のあいさつからスタートしました。「私たちはまだ泣いています」から始まり、決して50年前の蛮行を風化させてはならないことを強調しました。また、「キューバの寛大さに感謝し、チリとサルバドール・アジェンデの友人であるフィデル・カストロに感謝し、このつらい日に歌ってくれたシルビオに感謝し、悲しみに目を潤ませながら亡命した何百人ものチリの人を、友好的に迎えてくれたキューバの素晴らしい連帯の行動に感謝します。 キューバの人が知っているように、家庭と愛情をもって、私たちに同行してくれた皆さんに感謝します」と述べ、キューバの昔も今も変わらぬ連帯と友情への感謝を繰り返しました。

コンサートには、ディアスカネル大統領夫妻も駆けつけ

コンサートには、「G77+中国」首脳会議直前という非常に忙しいさなかでありながら、デャイスカネル夫妻も駆けつけました。さらに、外務大臣や文化大臣も参加し、すばらしい歌声に聞き入りました。

(写真)コンサートに駆けつけたディアスカネル大統領夫妻 写真:Estudios Revolución。

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キューバ国立合唱団等も友情出演

コンサートには、キューバ国立合唱団やハバナ室内管弦楽団等も友情出演し、すばらしい音楽を会場いっぱいに響かせました。

(写真)友情出演したキューバ国立合唱団 写真:Estudios Revolución。

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〇「cubadebate」で、歴史的コンサートの模様を紹介しています。以下がそのアクセス先です。
キューバ討論 (cubadebate.cu)

Cuba y Chile unidos en la memoria: Concierto histórico contra la barbarie del pasado

〇シルビオ・ロドリゲス『サンティアゴ・デ・チリ』youtube(コンサート版)
Silvio Rodríguez Santiago de Chile – YouTube

〇シルビオ・ロドリゲス『サンティアゴ・デ・チリ』youtube(クーデターの白黒動画版)
Silvio Rodriguez -santiago de chile – YouTube