駐日キューバ大使館情報
駐日キューバ大使館情報
2020 年 4 月 16 日
新型コロナウイルス(COVID-19)対策の医療協力
キューバの国際医療協力はキューバ革命勝利後、歴史的指導者フィデル・カス トロの指導の下で開始された。
1963 年、最初の医師団がアルジェリアに派遣されて以降、40 万人超の医療協 力隊員が 164 ヶ国で任務を遂行してきた。
現在、キューバ人医療専門家 28,000 人超が 59 ヶ国で活動しており、その大半 の国では新型コロナウイルスの感染が拡大している。
それに加え、キューバは今回のパンデミック発生以降、複数国の政府から感染 拡大対策の協力要請を受けた。 そのわずか数週間後、キューバは「ヘンリーリーブ緊急医療援助国際部隊」の 19 班(医師、看護師、技師で編成)をベネズエラ、ニカラグア、アンティグア バーブーダ、セントビンセント・グレナディーン諸島、ジャマイカ、セントク リストファー・ネービス、ベリーズ、ドミニカ、グレナダ、ハイチ、スリナム、 アンゴラ、ロンバルディア(イタリア)、アンドラ、バルバドス、メキシコ、 トーゴ、カタール、トリノ(イタリア)に派遣した。 キューバ当局は現在、その他の国々からの要請についても可能な限り対応する よう検討を進めている。
「ヘンリーリーブ緊急医療援助国際部隊」は 2005 年、大型ハリケーン「カト リーナ」による被害を受けて米国に支援を申し出た際、フィデル・カストロの 発案で創設された。部隊名はキューバ独立のために戦った勇敢な米国人兵士に 敬意を表して命名された。
創設以来、「ヘンリーリーブ」の 28 班が 22 ヶ国(パキスタン、インドネシア、 メキシコ、エクアドル、ペルー、チリ、ベネズエラなど)の要請に応じた。医 療専門家 7,950 人超が水害 16 件やハリケーン 8 件、地震 8 件、疫病 4 件の現場 で対応した。 同部隊の最もよく知られた功績はアフリカでのエボラ出血熱との闘いである。 2014年、医療協力隊員約 250人がシエラレオネ、リベリア、ギネアに駆け付け た。 キューバ国内の状況 4 月 15 日時点で、キューバの感染者数は 814 人となった。2,466 人が臨床・疫 学的観察のため入院している。その他に 6,572 人がプライマリ・ヘルスケア制 度を通じて自宅観察となっている。国内で PCR 検査を 20,451 件実施し、さら に数万件の迅速検査を行った。 2 診断も治療もすべて無料で行われる。これはキューバ人患者にも外国人患者に も適用される。
3 月 24 日付で国外在住のキューバ人のみが入国できると定められ、続いて 4 月 2 日付で国境が完全に封鎖された。
それ以降、すべての入国者は症状の有無にかかわらず、指定施設で 14 日間隔 離されている。その費用はキューバ国家が負担している。
プライマリ・ヘルスケア制度のファミリードクターと看護師、さらに医学部学 生が加わって全世帯を積極的に訪問調査している。その目的は感染疑い例の発 見及び、必要な衛生対策の意識向上を図ることである。住民の 94%がすでに訪 問調査を受けた。
米国の経済封鎖による影響
キューバは自国民の生命を守るため闘っており、新型コロナウイルスを相手と する世界的な闘いに協力している。このような状況下で、米国が課す経済封鎖 はその残酷さとジェノサイド的性格をさらしている。
感染拡大対策に必要な医薬品や資機材の購入、国際支援の提供及び受入れを進 めるにあたり、経済封鎖が根本的な阻害要因となっている。
一例をあげると 2019 年 2 月、キューバ保健省の輸出入企業である Medicuba 社 は、人工呼吸器製造企業の IMT Medical AG 社と Acutronic 社が米国企業 Vyaire Medical Inc.(本社イリノイ州)に買収されたことを受けて、「企業方針により 本日から Medicuba 社との全ての取引を停止する」という通告を受けた。
さらに 4 月 1 日、中国・アリババ財団から寄付された検査キットや人工呼吸器、 マスクから成る医療物資がキューバに届かなかったことが判明した。輸送業者 は米国による経済封鎖の規制を理由に着陸を拒否した。ラテンアメリカ諸国の 中でキューバだけが今回、ジャック・マー氏からの寄付を受け取っていない。