ベネズエラ大使による抗議文
日本経済新聞社特派員によるツイートに関するベネズエラ大使による抗議文
日経新聞の特派員がベネズエラについて、重大なツイートをしています。
イシカワ大使が、日経社長宛に抗議の書簡を送られました。
日本経済新聞社社長宛の特派員によるツイートに関する抗議文が大使館
ホームページ掲載されました。和訳が大使館のHPにアップされておりますので、
皆様におかれましては是非ご高覧頂けましたら幸いです。
http://venezuela.or.jp/news/1982/
以下は、イシカワ大使から日経新聞社社長に宛てた手紙です。
大使館訳
X.A.C -364
2018 年 9 月 12 日、東京
日本経済新聞社
代表取締役社長
岡田 直敏様
心よりご挨拶申し上げます。権威ある貴日本経済新聞社にてサンパウロ支局 特派員をつとめられている外山尚之記者が、去る 9 月 9 日に書かれたベネズエ ラの政治情勢に関するツイートに関してこの機会に申し上げます。ツイートを 文字通り引用しますと、「民主的な手段による政権交代が不可能になった今、 クーデターしか政権転覆の可能性はないというのはベネズエラ関係者の間で共 通認識となっている。マドゥロ政権は軍部への石油利権の供与で抑え込んでき たが、ここまで経済が駄目になり軍部内でも意見が割れているということ か。」とされています。
ニコラス・マドゥーロ・モロス大統領の政府及びベネズエラの民主的国家機 関、特に軍組織に関して外山記者がツイッターを通じて軽率に発信されたこの ような言明について、私たちは深い憂慮と重大さを持って捉えています。ツイ ッターは広く使用されているSNSの一メディアと認識されていますが、単純 に文字数が限られており、不用意な拡散がなされる可能性があることから、説 得力ある論拠の求められる情報を発信するには、必ずしも適当とは言えませ ん。
前述のツイートに見られるようなこの種のベネズエラに関する偏ったニュー スに関して、貴社幹部に対し次のような疑問点を挙げさせていただきますの で、ご回答をいただきたく丁重にお願い申し上げます。通常、社会的に信頼さ れている報道機関の社員ジャーナリストは、SNSで個人的に情報発信する際 には所属報道機関の許可が必要とされる場合が多いことを考慮してお尋ねする ものです。
○社員ジャーナリストによるツイッターのような SNS での発信に対して、貴 社としてはいかなる社則を設けているのでしょうか。
○もし、外山記者のツイッター発言が貴社として許可されているものである場 合、貴社はその内容に責任を持たれるものでしょうか。責任を持たれるなら ば、ツイッターの発信内容がねつ造、虚偽、または事実に基づかない憶測であ った場合にはいかなる対応を取られるのでしょうか。
le="margin: 0px 0px 6.66px; padding: 0px; border: medium; text-indent: 12pt;">同様に、外山記者個人に対しましても次のとおり質問させていただきますの で、迅速なご回答をお願い申し上げます。
○前述のツイートで「民主的な手段による政権交代が不可能になった今」とす る部分は、いかなる事実に基づくものでしょうか。このツイートは、ベネズエ ラ国民の民意を一方的に蔑視するものではないでしょうか。
ニコラス・マドゥーロ大統領の現政権は、2018 年 5 月 20 日に行われた民主 的で模範的な大統領選挙において、国民により再選されているという事実があ ります。
○「クーデターしか政権転覆の可能性はないというのはベネズエラ関係者の間 で共通認識となっている」と書かれた部分に関してお尋ねします。「ベネズエ ラの関係者」とはいかなる人々でしょうか。いかなる取材に基づいたものでし ょうか。また、いかなる意味でこれを書かれたのでしょうか。
言論機関であれば、あくまでも民主主義の擁護者たる姿勢が求められるのは 常識であると考えますが、外山記者は政権転覆の可能性の一つとしてクーデタ ーを挙げられています。
この書簡は当大使館のホームページに掲載してベネズエラに関心を持つ多く の日本の市民、企業の方々と共有し、貴紙からいただくお答えについても広く 共有し、ベネズエラを取り巻くメディアの問題として考えていきたいと思いま す。迅速かつ誠意あるご回答をお待ち申し上げます。
敬具 セイコウ・イシカワ 大使 (署名)
CC:常務取締役 吉田直人様