ベネズエラ連帯アピール

反グローバリズム

 ベネズエラ・ボリバル革命に連帯するアピール
 ベネズエラ・ボリバル共和国は、南米大陸の北端に位置し、カナイマ国立公園をはじめ豊かな自然、最高級のラム酒やコーヒー、優れた野球選手などで日本でもなじみのある国です。中でもベネズエラを発祥地とする音楽教育システム「エル・システマ」は、いまや日本を含む80の国・地域に広がり、日々子どもたちの豊かな感性をはぐくんでいます。
 ところが米国は、故チャベス大統領が米国の支配に対抗して社会主義指向の独自のボリバル革命を推進しているという理由だけで軍事的圧力と経済制裁を加え国を破壊しようとしてきました。最近トランプ政権は親米諸国と連携して軍事介入の可能性に言及するに至っています。決して許されないことです。5月20日に迫ったベネズエラの大統領選後に騒乱を生み出す危険も指摘されています。
 このような中、チャベス大統領から政権を引き継いだマドゥーロ大統領は、難しい政策運営を強いられながらも、憲法制定議会の設置、州知事選、全国市長選での勝利、野党との対話を推進することなどで政権の安定を回復し、富の偏在や貧困の撲滅、経済・市民生活改善、治安の安定化等が進められています。とりわけ、コミューナル・カウンシル(参加型民主主義の政治システム)やCLAP(供給生産地域委員会)など人々を政治や経済活動に積極的に引き入れるマドゥーロ政権のユニークな政策は、多くのベネズエラ国民の支持を集めています。
 日本のメディアは米国に同調するかのように「難民急増」「人道危機」「破局」などのあやまった情報を流していますが、これらは国連の報告によっても公式に否定されています。
 今年、その国名ともなったシモン・ボリバルの生涯を描いた映画『リベレイター』が日本でも公開されました。ホセ・マルティと並ぶ南米大陸の偉大な革命家で、今も人々から「解放者」と敬愛される彼の思想と闘いは、「ボリバル革命」としてベネズエラに息づいています。
 私たちは、独立国家ベネズエラに対する米国の不当な軍事的恫喝と政治介入に反対し、この国の真実を伝えること、ベネズエラの政治・経済・文化の魅力を伝え共感を広げること、またチャベス前大統領が始めたボリバル革命とそれを引き継ぐマドゥーロ政権を支持しその活動を紹介すること等々で、日本での連帯を進めていきましょう。
2018年5月12日
講演会「これからのベネズエラ&連帯のありよう」参加者一同